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聞き取りの問題点

K/Hシステムの学習法

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聞き取りの問題点

「何となく英語は聞き取れた気がするのに、なぜか意味がしっくり頭に入ってこない、頭に残らない」、「特に、少しでも文が長くなってくると、いっぺんにわけがわからなくなる」 -- こうした一般的な悩みは、これまでの英語の聞き取り方(ここでいう「意味のつかみ方」)が、現場で今ひとつ実戦力とならなかったことの表れです。何が問題だったのでしょう。


1.一単語一単語を単位として意味をつかんでいこうとするアプローチの問題

シャドーイングでも体験したように、ネイティブの人たちの感覚として、意味のユニットは、もっと大きなかたまりが単位になっています。化学で言えば、「英語は単語という原子で動いているのではなく、分子、さらには化合物で動いている」といった感じです。

2.レ点で漢語を読むような文章理解では後戻りの聞かない音での聞き取りには不向き

英文を正確に理解する上で、英文解釈による英文の理解は非常に重要です。しかし、音で聞き取る際には、さらに一歩進んで、なるべく文頭から意味のユニットごとにイメージ(メッセージ)をしっかり頭に刻みこみながら聞き進むことが必要になります。

3.私たちの自然で日常的な発想に馴染まない「漢語的」訳語による英語理解の問題

たとえば、ある人の話しを英語で聞いていて、分かったつもりで聞いていたのに、最後になって何を言っていたか思い出そうとしても、スピーカーの最後の言葉(たとえば、Thank you for your attention) しか覚えていなかった、などという経験がありませんか?せっかく聞き取ったメッセージも、非常に「外国語的」な「翻訳口調」の日本語による理解だと、理解自体も中途半端になりがちで、かつ、頭からも抜けてしまいやすくなります。メッセージをしっかりと頭に残すには、聞き取った英語を、自分の発想やイメージに最も近い言葉とリンクさせて聞き取る必要があります。こうした自分に最も「近い」言葉を、ここでは便宜上「やまと言葉」と称します。大阪生まれの人なら、子供のころからしゃべっていた日常的な大阪弁の言葉になるでしょうか。このような「イメージ」に非常に近い言葉に「サッと落とせる」ようになると、意味をつかむ作業が速く、かつ手ごたえのあるものになってきます。

4.英語の構文を常に意識しながら英語を聞いているかという問題

英語をきちんと正確に聞いている上級者とまだ発展途上の英語学習者の大きな違いは、この構文意識にあります。恐らく多くの方は、特にこの意識をもって英語を聞いているという感覚はないのではないかと思います。たしかにサバイバル英語という意味では、とにかくひとつでも多く単語を拾って、聞こえた単語を自分のもつ背景知識と常識でつなぎ合わせて意味を推測する聞き方も、決して悪いことではありません。しかし、このクセをそのまま続けていては、あてずっぽうな聞き取りを脱して、真に正確な聞き取りの力をつけることができません。ある程度英語の基礎力ができたら、構文を意識しながら聞く練習をする必要があります。しかし逆に言えば、この部分こそがこれまで学校で学んできた英語の力が生きるところでもあるのです。学校で身につけてきた「英語の構造を正確に理解する力」は、決して無駄ではなく、レベルの高い正確な聞き取り力のためには不可欠な宝物なのです。